教えるコツ 其の参 ~やる気を引き出す~

 人に何かを教える場合、伝える側がいくら良い内容や素晴らしい伝え方をしても、受け取る側に全くやる気や聞く気がなかった場合は全て台無しとなってしまいます。『やる気を引き出す』ことは、『教える技術』のなかで一番大切なことではないでしょうか。

【気付きを促す】
 受け取る側に全くやる気や聞く気が無い場合や、自分の行動を変化させる必要性を感じていない場合は、何を言われようと行動にはつながりません。運動・スポーツをしている時、いきなり「あなたはここがダメだからなおしなさい」と言われると、分かっていても素直に聞けないといった経験が皆さんにもあると思います。まずは本人に「自分は今どうなっているのか、そしてどうすれば良くなるか」という『気付き』を与えてあげることが必要です。
 
 気付きの為に便利なツールとしては、映像があります。今では携帯でもビデオカメラ顔負けの機能がありますので、動画を撮影して、本人に見せてあげると良いでしょう。「自分はこうなっていたんだ」と気づくことで、「じゃあもっとこんな風にしたい」と、行動を変化させるモチベーションが格段に上がるでしょう。

 本人に『気付き』を促したあとは、前回のコラムで述べた『伝える』の内容を実践することになります。しかし、伝える側が余りにもしゃしゃり出てしまうと、せっかく上がったモチベーションを落としてしまう可能性もあります。伝える側は何もアクションを起こさず観察に徹する方が良い場合もありますので、伝えるタイミングとバランスを考えましょう。

【褒める】
 何事も嫌々するより『楽しむ』ことが、積極的で前向きに上達するポイントです。いくら頑張っても怒られてばかりでは、やりたくなくなってしまうのも無理はありません。また、難しいことにチャレンジしている場合は、最初から完成系を目標にしてしまうと上達するまで時間もかかり、褒める個所も少なくなってしまいますので、完成系を細分化して部分的に出来た所をしっかりと褒めるようにしてください。

 褒める効果は、『良い行動を強化する』ことに現れます。出来ている部分と出来ていない部分がある場合、出来ていない部分を「ここは駄目だった」というのではなく、「ここの部分は良かったね。じゃあ次はここをこうしてみようか」というように言ってあげると、良かった所と修正するところが明確になります。出来ていない部分を先に言うのではなく、まず出来た部分を褒めてあげてから次の言い方を考える方がよいでしょう。

 
 今回は3回に渡って『教えるコツ』について書かせていただきました。私は指導方法を常に考えている立場ですが、それでも教えるというのは非常に難しい事だと思います。未だに特に難しいと感じているのは、『身内に教える時』です。身内に対しては、他人よりも遠慮がありません。また期待も大きくなるので、「どうして出来ないんだ」と思ったり、言い方もキツくなったりしてしまいがちです。

 『教える技術』は大切ですが、まずは伝える側の心を落ち着かせ、余裕を持って相手に接すること、つまり『共感する』ことが教える為には一番必要なことなのかもしれません。

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