プールに行こう!

 先日、埼玉県熊谷市で41.1℃まで気温が上昇し、日本歴代最高記録を5年ぶりに更新しました。熱中症の警戒日が続き、親としても心配な日が続いていることでしょう。
 「暑いから、、、」と、冷房の効いた家にこもり続けると、高温に対応できない身体になり、余計に熱中症の心配も増えてしまいます。かと言って、今年のような災害級の暑さの中、野外で運動をするのはかなりの注意が必要となります。
 そこで今回は、この暑さの中でも野外で出来る遊び、夏の定番と言える『プール(水泳)』について書いてみました。

 水泳は、陸上のスポーツと比べるとかなり特殊で、浮力と水の抵抗、呼吸の制限があるスポーツです。水に慣れていないと浮いて姿勢を保つことさえ難しいでしょう。それは、陸でバランスをとる時は、体の一部が地面に接地している状態がほとんどなのに対し、水中では、浮力と水の抵抗、そして自らの体脂肪量の影響も含めてバランスをとらなければならないからです。

 私は現在に至るまで、グループからパーソナルレッスンまで水泳の指導に携わってきました。その中で、水泳が不得意な子は、身体操作やバランスの他にも、呼吸の仕方に問題がある子どもが多くいました。息さえできれば問題が無いように思うのですが、「水中では息ができない」という恐怖心があるため、体内の二酸化炭素を排出する前に息を吸って苦しくなってしまう子が多いのです。『呼吸をする』ということは、簡単に見えて実は難しいことなのです。呼吸の仕方自体は、水泳教室では初期に習う事ですが、クロールなどの泳法の練習になってからつまづく子供が多いのは、呼吸をするタイミングに制限がかかってくるからでしょう。陸で呼吸が制限されるスポーツはあまりありませんものね。

 そして、水泳が特殊だと思う最大の理由は、陸上で行う多くのスポーツは、他の運動でも類似の身体操作があるのに対して、水泳にはそれが少ないのです。陸で泳法のフォーム確認などの練習をすることもありますが、水泳は陸でいくら練習をしても、浮力や水圧を受けた状態でなければ絶対に得られない感覚がある為、そこまで効果的な練習がしにくいといえるでしょう。
 つまり水泳は「泳がなければ泳げるようにならない」ということなのです。

 上記を読むと難しいように感じるかもしれませんが、逆を言えば陸では経験しにくい要素を含んでいるという事なので、お勧めしたいスポーツの1つです。また身体操作に関しても、4泳法は左右対称の動きばかりですので、片側だけに筋肉がつきすぎたり、体のバランスが悪くなるという事もほとんどありません。
 喘息がある子どもにもプールは適していますし、重力による関節への負担も少ないので、怪我の回復期や専門スポーツのオフ練習としてもいいかもしれません。

 水泳教室に通って泳げるようになろうとしなくとも、水中での感覚は必要ですので、この暑い夏を乗り切る1つのアクティビティとして家族で楽しんでプールに入ってみてはいかがでしょうか。

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