昔は、野山を駆け回り、木に登り、多少の高さの塀なら飛び降りていました。そのようにして自然に身体の使い方を学んできたのですが、子ども達を取り巻く現在の環境は変わり、日常の中に身体を動かす機会がグッと減ってしまいました。
私たち親世代がこどもの頃にやっていた遊びを、現代風に進化させたものがパルクールだと思っています。
パルクールとはフランス発祥で元は心身を鍛えるためのツールとして考え出されました。YouTubeなどで「パルクール」と検索すると、ビルの間を跳び越えたり、アクロバティックなことをしている動画ばかりが出てきますが、決して危険なことを行うことがパルクールではありません。「自らの身体を使った移動動作」というのが基本的な考えで、自らの身体機能を引き出し「速く」「遠く」そして「美しく」移動することが目的となります。
私は1.2年ほど前からパルクールに興味を持ちました。パルクールの魅力は場所を問わずどこでも出来ることや、自由な発想で出来ること、そして自分の能力と対話し限界を越えようとチャレンジ出来ることにあります。
パルクールを調べ、体験するほどに「今のこども達にとって必要なことだ」と感じ、そして今はS.Sクラスでパルクールを行うようになったのです。
ARPSのレッスンで行うような神経系の発達の内容はもちろん必要なことですが、それ以前に普段の運動量がとても少ないこども達が多いことに問題を感じています。しかしいくら「動きなさい」「遊んできなさい」と言ったところで、遊具もボール遊びも出来ない公園に行ったところで面白くないと感じるのは自然なことでしょう。
しかし、パルクールに触れ、フィールド全てが遊びの対象になれば、自然と運動量も確保されもっとこども達の能力が向上していくと思うのです。
私自身もまだまだ初心者ですが、こども達と一緒に練習を重ね、出来る限り長く「動ける身体」でいたいと思っています。